5、四つ辻から御膳谷・一の峰
左の坂道を下ると大杉社・眼力社の前に出て御膳谷奉拝所に着く。
現在でも御饌石みけいしと称する直径1米程の神石の平面に、
70枚の土師器かわらけを置き神酒を盛り、
大山祭の五穀豊穣・家業繁栄を祈る儀式が行なわれる。
大杉社
奥に御ケ石を奉る
この時に使用のカワラケは、商売繁盛・酒造家の間では、
酒樽に入れると酒性をよくすると信じられ奪い合いになるので
昭和37年から有料授与の方法で調整している。
眼力社狐の水道蛇口
御膳谷奉拝所
東へ進むと薬力社とおせき社がある。
薬力社
薬力社は、万病平癒の神で仏教で言う薬師如来信仰に当たる。
おせき社は、風邪と咳の病気に霊験があると言われ
ハガキの祈願でも効用があるとされ郵便受けもある。
おせき社
更に石段を登ると御剣社に着く。
別名を長者社と言い祭神は加茂玉依姫(かもたまよりひめ)とされている。
御剣社
神殿の背後に巨大な巌石があり、この岩をご神体と拝する。
剣石
御剣社は、謡曲で有名な「三条小鍛治宗近」の舞台と言われている。
宗近が勅命を受け御剣を打つが、その努力精進が神に通じ
稲荷明神が狐の化身となって現れ、宗近の相い打ちをつとめ
見事な宝剣を完成させるという話で、
その時の名剣を鍛えるのに用いたのが、御身体の岩だと伝えられる。
狐
しばしば落雷があり雷石とも呼ばれている。
頂上の一の峰に鎮座する末広社へは、御剣社から春繁社を通り
更に長い石段を登り最高峰に達する。
春繁社
比叡山から始まり東山三十六峰はここで終わる。