2、特質のあるお召列車と関係記録

D御巡幸のお列を乱した列車

 明治29年6月29日、陸軍乗馬学校へ明治天皇が行幸になったとき、渋谷・新宿間の渋谷村宮益通り踏切で日本鉄道の列車がろ簿を遮り、駅長と警察署長が始末書を提出した。国鉄においても昭和8年10月、福井県下で行われた陸軍特別大演習を御統監中、乗馬ろ簿で金津・細呂木間の踏切りを陛下が渡られ、続く随行員が横断するとき三国行き貨物列車が進行してきて行列が一時中断した。

 機関士は御巡幸の列であることに気づき、汽笛を鳴らさず非常制動で20m手前に停止し事故はなかった。ろ簿を乱した事は全くの失策だったので原因を調査したところ、関係者の連絡不徹底から生じたものだったが何の処分もなかった。

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